INDUSTRY INSIGHT 業界の構造を知る
KAIAN R&D Team||
「ヒアルロン酸配合」「セラミド配合」「ビタミンC誘導体配合」——パッケージの表記を見て、「しっかり入っているんだ」と感じたことは?
「配合」という言葉に、濃度の規定はありません。0.001%でも10%でも「配合」です。
成分表示のルール
日本の化粧品の全成分表示ルール:1%以上の成分は多い順、1%未満は順不同。つまり、成分表の後半は順番に意味がなく、どれが1%以上でどれが0.001%かは判別できません。
フェノキシエタノールという「ものさし」
防腐剤フェノキシエタノールの配合上限は1%。成分表でフェノキシエタノールの位置を確認すれば、おおよその「1%ライン」の目安になります。
なぜ「配合」が意味をなさないことがあるのか
パッケージ前面に大きく「ヒアルロン酸配合」と書かれていれば、多くの人は主役成分だと思います。しかし実際には製品全体の0.01%未満のことも。消費者の「期待」と「現実」のギャップが問題なのです。
食品との比較
食品には栄養成分表示が義務づけられ、何グラム入っているか具体的にわかります。しかし化粧品には「量の透明性」が存在しません。「配合」は存在の証明であって、効果の保証ではありません。
賢い消費者になるために
1. 成分表の位置を確認する習慣 — 注目成分がフェノキシエタノールの前か後ろかを確認。
2. 濃度を明示しているブランドを評価する — 具体的な数字を開示するブランドは自社処方に自信がある証拠。
3. 「配合」に過度な期待を持たない — 大切なのは、どれだけ入っているか、どう組み合わされているかです。
参考文献
本記事の科学的記述が依拠する主な査読論文です。
- Dréno B, Zuberbier T, Gelmetti C, Gontijo G, Marinovich M. Safety review of phenoxyethanol when used as a preservative in cosmetics. J Eur Acad Dermatol Venereol. 2019;33(Suppl 7):15–24. PubMed
- Essendoubi M, Gobinet C, Reynaud R, Angiboust JF, Manfait M, Piot O. Human skin penetration of hyaluronic acid of different molecular weights as probed by Raman spectroscopy. Skin Res Technol. 2016;22(1):55–62. PubMed